野菜ジュースで栄養は摂れるのか?
野菜ジュースは安くて栄養が取れるので、多くの方が飲んでいる。しかし、本当に1日分の栄養が摂れるのか、疑問に思ったことはないだろうか?
野菜ジュースはほとんどの栄養素がなくなってしまい、糖分を含んでいるので「健康に良くない」という意見も聞かれる。
実際に野菜を食べるよりも野菜ジュースの方が安く、手軽に野菜を摂ることができる。野菜ジュースが野菜を食べる代わりになるかどうか、調べてみたので紹介する。
野菜は1日350g食べなさい
厚生労働省は「野菜を1日に350g食べなさい」と推奨している。野菜は炒めたり煮たりすると栄養素が少なくなるため、350gとは生で食べる量を指している。
厚生労働省は350gという量だけを決めており、必要な栄養素については特に触れていない。全国で食べられている野菜が違い、野菜に含まれる栄養素も違うことから、厚生労働省は栄養素に関しては基準を設定していないのだ。しかし、生の野菜を350食べるのはとても大変だ。
「1日分の野菜」や「野菜一日これ一本」というのは、生で350gの野菜を食べた場合に摂れる栄養素を算出し、その栄養素を摂れるということを指している。
ビタミンC・食物繊維はふくまれていない?
よく聞かれる意見として、「ビタミンCや食物繊維は含まれていない」という意見だ。
ビタミンCや食物繊維は、熱に弱い栄養素だ。ビタミンCは炒めると20%無くなり、煮ると60%無くなるといわれている。食物繊維も水溶性と不溶性の食物繊維があり、水に溶けない不溶性は無くなってしまう。
この特徴から、「ビタミンCや食物繊維は含まれていない」という意見があるが、これは誤解だ。安い野菜ジュースは含まれていないが、「1日分の野菜」や「野菜一日これ一本」は、ビタミンC・食物繊維の必要な量が含まれている。
ビタミンCの1日摂取量目標値は44.7mgだが、野菜ジュースにすると10mgしか残らない。そこで、食品添加物のビタミンCを加えており、1日に必要なビタミンCを補給できるようになっている。
また、食物繊維やカルシウムも食品添加物を足して作られている。350gの野菜を食べたときに摂取できる栄養素は、野菜ジュースにすべて網羅されている。
野菜の産地と濃縮還元
スーパーで野菜を買う場合、外国産の物は買わないという方が多い。しかし、野菜ジュースには海外産の野菜が使われていることが多い。
伊藤園やカゴメでは、中国産の野菜は使わず、可能な限り国産の野菜を使うように配慮されている。安い野菜ジュースの場合、中国産を含め海外産の野菜が多く使われている場合が多く、注意が必要だ。
「すべて国内産にはならないの?」と思うかもしれない。しかし、現在は野菜ジュースを飲む人が増えたため、国内だけでは全く足りない状況になっている。
また、野菜ジュースを買う時によく見かけるのが「濃縮還元」という言葉だ。野菜を加熱して6分の1の体積に濃縮、ケチャップのようなドロドロのペーストを冷凍して、日本に輸入する方法だ。体積が6分の1になると送料も6分の1になるため、野菜ジュースの価格を抑えることができる。
この濃縮されたペーストに水を加えた商品を「濃縮還元」と呼ぶ。国内で水を加えれば「国内製造品」と表示できる。
濃縮還元をしていない野菜ジュースは栄養素が残るが、高くてなかなか手が届かない。濃縮還元をしていて、さらに栄養素がきちんと含まれている野菜ジュースを選ぶことが大切だ。
野菜ジュースは活用すべき
野菜ジュースに関して調べた結果、野菜ジュースはきちんとしたメーカーであればかなりの企業努力をしており、1日分の野菜に含まれる栄養素を摂ることができる。
しかし、同じ1日分の野菜が摂れるという表記があっても、350g分の野菜を濃縮還元しただけでは意味がない。しかし、厚生労働省の規定は350g分の野菜ということだけなので、栄養素も考えて作られた野菜ジュースを飲むべきだ。
また、野菜や果物の摂取をジュースだけに頼るのはよくない。健康的な食生活の基本は、様々な食べ物をバランスよく食べることだ。あくまでも補助的に栄養素を摂取する目的で、野菜ジュースを飲むことをオススメする。
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