大学の学費は負担が大きい!平均と内訳を把握すべき
「大学の学費は高い」という話はよく聞きますが、実際にどれくらい掛かるのかを把握している人は少ないです。
「大学を卒業するのに400万円程度掛かる」と何となく理解している人は多いですが、大学の卒業に必要なのは学費だけではありません。遠くの大学であれば一人暮らしになるので、仕送りが必要になります。また、授業料だけでなく教科書代なども必要です。
今回は、大学の学費・生活費がどれくらい掛かるのか、また知っておくべき費用の内訳について詳しく解説していきます。
入学後1年間の費用は平均いくら?
まず、大学に入って1年間の費用について、詳しく解説します。平成26年度の文部科学省が出したデータとなります。
●私立大学の平均額
入学料:26万1,089円
授業料:86万4,384円
施設設備費:18万6,171円
小計:131万1,644円
●文科系学部の学費
入学料:24万2,579円
授業料:74万6,123円
施設設備費:15万8,118円
小計:114万6,819円
●理科系学部の学費
入学料:26万2,436円
授業料:104万8,763円
施設設備費:19万34円
小計:150万1,233円
●医歯系学部の学費
入学料:103万8,128円
授業料:273万7,037円
施設設備費:83万1,722円
小計:460万6,887円
医歯系学部が圧倒的に高くなりますが、まずは平均値である131万円を目安にしましょう。
大学4年間の学費は平均いくら?
初年度には入学金が掛かりますが、その後は授業料+施設設備費が3年分必要になります。
●文科系学部の学費
4年合計:385万9,543円
●理科系学部の学費
4年合計:521万7,624円
●医歯系学部の学費
6年合計:2,245万682円
●その他学部の学費
4年合計:502万3,493円
大学の学費が約400万円というのは、文系の学費を参考にした数値です。500万円を見ておけば、問題なさそうです。
生活費も含めた学費は平均いくら?
次に、生活費も含めた金額を紹介します。下記の金額を加算します。
●自宅通学の場合の学費
その他の学校納付金:15万7,600円
修学費:4万9,100円
課外活動費:3万円
通学費:10万2,400円
小計:33万9,100円(年額)
●下宿・アパート・その他に住んでいる場合の学費
その他の学校納付金:17万8,500円
修学費:5万100円
課外活動費:3万1,200円
通学費:2万6,000円
小計:28万5,800円(年額) ※家賃・光熱費など一人暮らしにかかる費用は除く
一人暮らしの方が安くなっているのは、家賃・光熱費などを含んでいない金額だからです。自宅から通う学生にとって、交通費は重い負担となります。
この金額を加算した場合、大学の期間で掛かる費用は下記となります。どんなに安く済んでも、500万円は掛かります。
●文科系学部 4年間で掛かる学費
自宅通学:521万5,943円/1人暮らし:500万2,743円
●理科系学部 4年間で掛かる学費
自宅通学:657万4,024円/1人暮らし:636万824円
●医歯系学部 6年間で掛かる学費
自宅通学:2,448万5,282円/1人暮らし:2,416万5,482円
●その他学部 4年間で掛かる学費
自宅通学:637万9,893円/1人暮らし:616万6,693円
奨学金の利用も検討すべき
親の世代に比べて年収は上がっておらず、むしろ社会保険料が増えたことでマイナスとなっています。
しかし、大学の学費に関しては親の世代に比べると2倍になっています。ここまで費用の負担が大きいので、多くの学生は奨学金制度を利用しています。大学学部生の38.7%にのぼり、約2.6人に1人が利用していることになります。
「奨学金って借金でしょ?」という方もいますが、奨学金にも様々な種類があります。貸与型(返さなければならないもの)ではなく、給付型(返さなくてよいもの)も多いです。
●国立大学授業料の免除
一定の収入基準以下の家庭で、授業への出席率や成績が基準を満たしている学生であれば、授業料が全額もしくは半額免除される制度です。
●私立大学の給付型奨学金
日本学生支援機構の貸与型奨学金(返さなければならない奨学金)と違い、私立の大学には、独自の給付型奨学金(もらえる奨学金)を給付しているところが多数あります。
最近は、受験前に申し込給付型奨学金もありますし、企業が特定の大学の学生に対して給付している奨学金などもあります。
大学に合格するまでにも費用が掛かる
大学に入ってからの費用が500万円以上掛かるというのも恐ろしいですが、大学に入る前にもお金が掛かります。
予備校に通ったり受験料が掛かったり、国立大を受験する前に滑り止めの私学の入学金を支払う必要があったりと、大学合格時以外の費用も考えておきましょう。
奨学金も様々な制度があるので、利用するしないに関わらず必ずチェックすべきです。ぜひ、検討してみてください。
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