年収500万円で住宅ローンはいくらまでにすべき?
これから家を買う方にとって、住宅ローンをいくらまで借りるかは重要だ。
よく言われているのが「年収の5倍までなら無理なく返せる」という意見だ。あなたが3500万円の家を購入する場合、年収500万円であれば2500万円まで借りてもOKということになる。頭金を1000万円貯めて、家を購入することになる。
しかし、子供はこれから大きくなって、習い事や塾に通うようになる。教育費は月数万円となり、食費や光熱費も増えるだろう。
何も考えずに住宅ローンを借りると、後悔することになる。今回は、年収500万円の人を例に挙げて、住宅ローンについて解説していく。
フラット35(固定金利1.57%)のケース
最もよくあるケースが、フラット35の35年間固定金利を借りるケースだ。
今回は、3000万円の住宅ローンを借りるケースを想定する。フラット35(固定金利1.57%)で借りた場合、月々の返済額は92,887円となる。
不動産会社は「今の家賃が月10万円で、家を購入すれば月92,887円のローンで大丈夫ですよ。」という営業トークをよくする。しかし、月92,887円以外にも掛かる費用は多くある。
まず、通常の住宅ローンでは団体信用生命保険は含まれているケースが多い。団体信用生命保険とは、加入者が死亡した場合に住宅ローンが免除される保険のことだ。
フラット35の場合、団体信用生命保険は別途入らなければならない。団体信用保険は費用が高く、35年間加入する場合は3000万円の住宅ローンで2,090,400円となる。つまり、月々4,977円の負担となる。
次に、火災保険・地震保険に加入する費用だ。特約は付けずに火災保険に加入する場合、火災・風災のみで契約すると10年間で約9万円の保険料が掛かる。(今回は水災の保険は無しとしている)つまり、年間9,000円の負担となる。
また、地震保険はさらに高額だ。5年間一括払いで約10万円だ。年間だと2万円となる。つまり、保険関係で年間29,000円が発生し、月々2,416円の負担となる。
次に、固定資産税を考えよう。固定資産税は「建物」「土地」に分かれる。
まず、建物の課税標準評価額が800万円・土地の評価額が500万円の場合だ。購入金額から50%分を評価額としている。長期優良住宅の場合、新築から5年間の建物に対する固定資産税は半額となるので、当初5年間で485,640円となる。年間97,128円 / 月々8,094円となる。
その後は減税措置がなくなり、年間152,666円の想定だ。月々12,722円となる。
マンションの場合は、この金額に加えて駐車場代や管理費が必要となる。駐車場代が月5,000円、管理費が月13,000円とする。
住宅ローン減税も考慮する
住宅ローン以外に掛かるお金を解説したが、住宅ローン減税により減額もある。
住宅ローン減税とは、当初10年間は住宅ローン残高に対して1%分の減税が受けられる制度だ。住宅ローン残高が年末の時点で2800万円の場合、28万円の控除が受けられる。
今回のケースで住宅ローン減税を計算すると、10年間で2,625,971円の控除を受けられることになる。当初10年間は、月々21,883円の控除が受けられることになる。
修繕積立金も考慮する
マンションの場合は修繕積立金が自動的に引き落とされるが、戸建の場合は自分で用意しなければならない。
10年ごとに120万円をかけてメンテナンスする場合、月1万円の積み立てが必要となる。この場合、今回の計算をまとめると下記となる。(当初10年間で計算する)
住宅ローン : 月々92,887円
団体信用保険 : 月々4,977円
火災・地震保険 : 月々2,416円
固定資産税 : 月々10,408円
住宅ローン減税 : 月々-21,883円
修繕積立金 : 月々10,000円
合計 : 月々98,805円
マンションの場合は、駐車場代・管理費を追加で計算しよう。住宅ローン減税は10年間で終了のため、10年が過ぎるとさらに高額な費用が掛かることになる。
「住宅ローンは家賃より安い!」と言われても、その言葉は信じるべきではない。様々な費用が必要になり、今より広い家に住むと光熱費なども上がってしまう。
しっかりと計算して、自分にとって無理のない住宅ローンを組むようにしよう。
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