残業はする方が得か?しないほうが得か?
どこの会社でも多いのが「残業代がないと生きていけない。」といい、残業ばかりする人だ。
確かに、残業代は大きな収入源だ。例えば、残業代が時給2,000円であれば、40時間の残業で80,000円がもらえることになる。
しかし、この金額は正しいようで正しくない。実際には税金や社会保険料が発生するためだ。
サラリーマンは税金に疎いが、お金を貯める上で税金を知ることはとても重要だ。今回は税金の紹介として、残業代の計算方法を例に説明する。
実質の残業代はいくら?
あなたの時給が2,000円だった場合、一例として下記の控除と税金がかかる。
「給与所得控除」
400円
「税金」
所得税(10%) : 200円
住民税(10%) : 200円
つまり、控除400円・税金400円のため、差し引きでは0円になる。よって、時給と同様に手取りも2,000円となる。
給与所得控除や所得税額は、その人の年収によって異なる。今回の例では、たまたま同額となっている。
3月〜5月は残業をしてはいけない
「税金分の控除があるから、残業をしても損しない」と思うかもしれない。しかし、3月〜5月は全く状況が異なる。
その理由は、社会保険料は4月〜6月の給与で決まるためだ。4月〜6月の給与は3月〜5月の仕事量によって決まるため、3月〜5月に残業をすると逆に手取りが減ってしまう。
4月〜6月の標準報酬月額から社会保険料は算出される。厚生年金で約8.7%・健康保険料で約3.7%となる。標準報酬月額が40万円の場合、厚生年金が月34,800円、健康保険料が月14,800円となる。合計で月49,600円だ。
3月〜5月の残業を抑え、この3ヶ月だけ標準報酬月額が35万円になったとしよう。この場合、厚生年金が月30,450円、健康保険料が月12,950円となるため、合計で43,400円となる。
月に社会保険料が6,200円安くなると、年間で74,400円の費用が節約できることになる。厚生年金は将来もらえる年金なのでまだマシ(とはいっても減額が予想されるが)だが、健康保険にいたってはいくら支払っても医療費は同じだ。
こういった税金のルールを把握していると、お金が自然と残る家計になる。少しずつ勉強していこう。
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