家を建てるのに必要なお金を検証する
「家が欲しい」と思い、頭金を貯める夫婦は多い。
昔から言われているのは、「頭金は全体の2割を貯めましょう」という考え方だ。この考えは、以前だと住宅ローンを借りる時に2割を用意しなければいけなかったことから、言われていることだ。
しかし、現在は頭金を用意する必要は無くなっている。住宅ローンは競争が激化しており、各金融機関では頭金不要・諸費用もローンに組み込めるプランが出てきているからだ。さらに、現在はこれまでに無い低金利となっており、ネットバンクでは変動金利0.57%というところも出てきている。
現在の状況を踏まえると、私は家を建てるのに必要なお金は100〜200万円程度だと思っている。
住宅ローンは借りられるだけ借りるべき
この考え方は驚かれる場合が多いが、「住宅ローンは借りられるだけ借りるべき」だ。
なぜ住宅ローンを多く借りた方がいいのか?それは「住宅ローン減税」が多くもらえるためだ。
住宅ローン減税とは、年に1回住宅ローンの残高に対し1%分の税金が還付される制度だ。年末時点で住宅ローンが4000万円残っている場合、40万円の税金が還付される。住宅ローン減税は借りた年から10年間の還付が受けられる。
例えば、あなたが4,500万円の住宅を購入する場合を比較する。全額を住宅ローンで組んだ場合と、頭金を2割(900万円)用意して、残りの3,600万円を住宅ローンとした場合だ。分かりやすく、住宅ローン減税を10年間受けて、10年後に一括払いをした場合とする。
①4,500万円全額ローンにした場合(変動金利0.875%で試算)
10年間の住宅ローン支払い額 : 14,930,800円
10年後の一括支払い額 : 33,515,709円
10年間で受けられる住宅ローン減税 : 3,876,651円
総額 44,569,858円
②頭金900万円を用意し、3,600万円をローンにした場合(変動金利0.875%で試算)
頭金 : 9,000,000円
10年間の住宅ローン支払い額 : 11,944,679円
10年後の一括支払い額 : 26,812,513円
10年間で受けられる住宅ローン減税 : 3,101,317円
総額 44,655,875円
意外かもしれないが、頭金を2割出すよりも10年後に一括払いをした方が、住宅ローン減税を多く受けられるのでお得になるのだ。今回のシミュレーションだと、頭金無しの方が86,017円得することになる。資金を残して投資や定期預金にまわせば、さらに資金は増えることになる。
10年後に出来るだけ多くの資金を用意しよう
10年後に一括払いは厳しいかもしれないが、住宅ローン減税が終わるタイミングで可能な限り返済をすることをオススメする。
10年間は住宅ローン減税を多く受けるために、ローン残高を多く残しておく必要がある。10年後のタイミングで大きな資金を用意できれば、利子を大きく圧縮することができる。
銀行によっては、家具や諸費用も全て住宅ローンとして組める場合が多い。何かあった際の補償として100万円〜200万円は手元に残すべきだが、基本的には頭金無しでも家を購入する選択肢はアリだと思う。
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